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第146回 スミとハナ

今マスターベッドルームのドアはいつも閉めています。と言いますのは以前外ネコだったスミとハナが家ネコに昇進して家の中に入ってきたのはいいのですが、他の家ネコとどうしてもあわないので2匹だけマスターベッドルームで生活をしているからです。スミは真っ黒、ハナは銀色のネコで、母ネコ(マミー)の4匹の子供のうちの2匹の雌ネコです。母ネコも銀色でハナは母親とうりふたつのちょっと小太りネコ。スミはきっと父親似なのでしょう。すらっとした細面です。あと2匹の銀ネコがいたのですが、いつのまにかいなくなってしまいました。

外ネコは母ネコ以外全部雄ネコ(タビ、トラ、カプチーノ)で、どうしてもスミとハナはいじめられてしまうのです。そしてネコは逃げるものを追う習性がありますので、いつも逃げるこの2匹は常に追い掛け回されてしまうので、やむなく家に入れました。母ネコは一番最初に来たネコなのでこの雄ネコたちも一目おいているようです。スミとハナはもう追い掛け回される心配がないので、やっと2匹で遊ぶ余裕もでてまいりました。ネコの世界もいろいろとあるようです。

2002 1/25

第147回 ミミズ商売

今家に来ている大工さんの一人が小型ヒーターを持ってきてペンキを乾かすのに使っていたのですが、とても具合のいいヒーターでした。「随分小型なのにいいヒーターですね」という話をしたら、「ミミズを育てている小屋で使っているんだ」という言葉が返ってきました。こういう話はとても好きな性分なので、さっそく彼の話を聞いてみました。なんでもゴミ処理にミミズを大量に使うらしいのです。ゴミ処理場に大量のミミズを放し彼らにゴミをいい土壌に変えてもらうプロジェクトが行われているらしいのです。

彼のお父さんは彼よりもかなり大きな規模でこの商売をしているとのことですが、枠組みした箱を幾つも用意し、そこに牛糞をいれ、そこでミミズを飼育して、成長したら一つの箱のミミズを売り、そこに赤ちゃんミミズを放していくことを繰り返していくらしいです。なんでも月にいいお小遣いになるようです。私もコンポースを庭の片隅に作って野菜くずをそこに捨てて、ときどきかき回したりして土を作っていますが、かき回すと大きなミミズがでてくるのですが、嬉しくなります。なかなかいい商売だと思うと同時に、我家のミミズはヒーターなしで可哀相だなとふと思いました。

2002 1/28

第148回 冬の夜空

冬になりますと木の葉がみんな落ちて今まで見られなかった空が頭上に広がります。そして冬の寒い夜には星がはっきりと見えます。星座のことは詳しくわかりませんが、必ずオリオン座、カシオペア座、さそり座、大熊座は見つけられます。目をじっとこらしますともっと星が見えてきます。 小さな星がいくつもかたまって見えるのは、とても素敵だと思うのですが、星座の名前はわかりません。星座にまつわる様々なお話はとても夢がありますね。そしてロマンチックです。恋人たちが肩をよせあいながら、星を見る様子は絵になりますね。

小学校の時、長期休みの宿題で友達と星の観察というプロジェクトをしたことがありました。何をしたかと申しますと、セルロイドの下敷きを空にかざしてお線香を星座の星の部分にあててとかし、形を写し、その形から星座の名前を確認するというプロジェクトでした。今思い出してもあれはなかなかいい案だったなあと思ったりします。なんとなくあの時寒かった記憶があるので多分冬だったかもしれません。冬の夜空のお星様は一番美しい気がします。

2002 1/30

第149回 まいりました

よく思うのです。猫は心配するのかと。雨が降ったとき、外ネコは今夜はどうしようとか、いつももらえる餌をたまたまもらえなかった日、食べ物をどうしようかとか、ケガをしたとき激しい痛みをどうしようかとか。彼らには、空腹感、痛み、寒い、暑いという感覚はあると思うのですが、いつも彼らはなんでもないように振舞っています。お腹がすいていても、気に入らない餌には見向きもしませんし、どうみても痛そうな傷をおってびっこをひいているネコも、顔には苦痛の表情がありません。

もう、ここで私は降参してしまいます。彼らのすごさに参るのです。はじめて飼った猫はサチ(幸)というトラネコでした。何年経っても懐きませんでした。多分人間不信に陥ったネコだったのかもしれません。でも4年くらいたってやっと心を許してくれるようになりました。サチが家に来た時、彼女は大分成猫だったと思います。テキサスに住んでいたとき、だんだんと弱ってきました。獣医さんが、腎臓に問題があるとおっしゃって、点滴や、栄養食で様子をみましたが、見込みがないのがはっきりしたので安楽死させました。彼女も最後まで弱音をはかず、凛としていました。彼女にもまいりました。

2002 2/01

第150回 目に映る映像

この一両日のお月様のあまりの美しさに写真を撮ってみました。目に映る映像とデジタルカメラに出てくる映像が全く違ってがっかりしました。目に映るお月様は何倍もの大きさで、その光ももっと明るく、もっともっと美しいのです。どうして目に映るような映像がカメラに出ないのでしょう。カメラが悪いのか、私がカメラの扱いをしらないのか・・ この発想は多分素人のものですから、カメラに詳しい方はあきれてしまうかもしれませんね。

より本物に近い映像ということでハイビジョン、フラットスクリーンなど様々な技術開発が行われていますが、やはり目に入りそこから脳に送られるビジョンに勝るものはないかと思います。そして、脳に送られた映像は時にフィルターがかかって脳に保存されたり、意外イメージに変化して脳に保存されたりすることがあります。遠い昔の映像をひっぱりだしてみますと、ちょっとぼやけていて、実像とぴったりとはいかないようです。でも目から入った映像はやっぱり何にも換えられないものだと思います。

2002 2/04

第151回 夕焼けは、

夕方西の空が刻々とその様子を変えていく。美しい夕焼けでした。夕焼けの美しさは雲によって決まりますね。筋雲が幅広く広がったりしますとそれは言葉に表せない美しさです。今まで感動した夕焼けは3つほどあります。一つは故郷で見た夕焼け、もう一つは3年ほど住んでいたテキサスの夕暮れ、そして3つめは今住んでいる家から見た夕暮れです。

赤、オレンジ、黄色やピンク系の色が微妙なグラデーションを見せてくれます。見ている間にその色や影はどんどん変っていくので目が離せません。一度は猫たちとゆっくり地面にすわって完全に色が消えるまで見ていました。夕焼けを見ている間はそう時間はかからなかったのですが、なんともいいようのない気持ちになりました。夕焼けはなんとも言えない懐かしさを感じさせてくれます。

2002 2/06

第152回 動物だって一人でいたくない

動物でもやはり孤独感を感じると思います。野鳥にしても誰かが来なければやってきませんし、野犬にしても一匹で行動している犬はどこか沈んで見えますが、グループで行動している野犬は元気そうです。猫はどちらかというと犬よりも孤独を愛するように一見みえますが、やっぱり人のいるところに自然に集まってきますし、二匹で寄り添うように寝たりいたします。

身体が弱って、仲間と一緒に行動できなくなった動物は、孤独にならざるを得ないことになります。野鳥にしても、ネコにしても、森に住む野生の動物にしても同じです。これは寂しいことですが、仕方ありませんね。野鳥は病気になると太ることが多いです。飛べなくなってエネルギーの消費が少なくなるからでしょう。飛ぶという動作には相当のエネルギーが使われているようです。渡り鳥などのことを思うとすごいなあと思います。孤独ということを思う時、これからはきっと彼らのことも思ってなんとなく頑張れるような気がします。

2002 2/08

第153回 困惑の庭

数日前続いた暖かい気候のお陰で庭の植木は戸惑ってしまい、いろいろなことが起こっています。雪柳、連翹、ボケは今ごろ普通でも花をつけるのでいいとしまして、スターマグノリアが咲いてしまったのは困りました。それにブルーベリー、バイカウツギ、コデマリの蕾が形成されはじめてしまいました。ブルーベリーとコデマリは昨年も今回のように寒さの間にポカポカ陽気がやってきて蕾を開いたとき、また急激に寒くなり、かなりダメージを受けてしまいました。

つつじも咲いているものもありますが、きっと花はダメになってしまうでしょう。でもつつじはうまくいくと2度咲きをしてくれてまた4月になると蕾をつけてくれるときもあります。お天気ばかりはどうにもなりません。日本に住んでいたときはこんな急激な気候の変化は経験したことがなかったような気がします。我家の困惑の庭は、2月3月これからどうなっていくのでしょうか、目が離せません。

2002 2/11

第154回 雨の季節

日本では6月が雨の季節といわれ、6月頃はもう春もそろそろ終わりの頃で寒くはなりませんから自然に雨の季節を受け入れることができましたし、つつじやアジサイなど美しい植物もこのころ見頃となり外出も苦になりません。Vicksburgに住むようになって、こちらの雨の季節は真冬であることがわかりました。これはかなり受け入れるのに骨が折れます。

寒いときに雨というのはかなりつらく、うらめしい気持ちになることがよくあります。寒さが一層寒く感じられ、外に行く気にもなりませんし、この時期庭は冬眠中ですから、窓から外を見ても枯れた様子しか目に入ってきません。こちらにはこたつがありませんから、こたつにじっとしてみかんを食べたり、家族と話をすることもできませんから、私としては思い切って今日は何をしようと意気込まなければなりません。雨の季節に関しては6月頃が一番いい時期かと私は思います。

2002 2/13

第155回 ネコの気持ち

我家の猫をみているといろいろな感情表現を発見することがあります。たとえば、寂しい、嬉しい、怒り、恥ずかしいといった感情です。他にも彼らは退屈を感じたり、やつあたりする時もあります。例えば自分が悪いことをして私たちからしかられたとき、そばにいる猫にやつあたりしたりすることがあります。それから、一度懲りることがあると、次同じような状況に出逢うときは前の経験を覚えていて避けるようにします。

獣医さんにつれていくキャリアー(とってのついた箱)を出そうものなら我家の猫は一匹残らずどこかに隠れてしまいます。ですから、みつからないようにこの箱を個室に移し、しばらく平静を装って、彼らが安心して普通の動作に戻ったとき抱いてその個室につれていき、箱にいれるようにしています。それと、バスタブに湯を入れる音がしますとやはりパアッといなくなってしまいます。お風呂に入れられると思うからです。彼らのことを見ていると心の様子が少しわかってきて、付き合いも深くなってくるようです。

2002 2/15

第156回 男の香水

友達のキャシーはネイテイブアメリカンの血をひいておりいろいろなことを知っています。アメリカにはたくさんのネイテイブアメリカンのグループが存在し、先日の冬季オリンピックの開会式でもナバホ、チェロキーなど5つのグループがパフォーマンスを披露してくれました。”リザベーション”と呼ばれる特別な地域で彼らは昔からの伝統を守りながら生活しているとのことです。生活の仕方、信仰、考え方などにはとても興味深いものがあります。

先日キャシーから聞いたことでとても興味のある話がありました。ハンターたちが森へ入ると、人間の匂いをカバーするためにいろいろな匂いを身体につけると聞きました。たとえば、鹿、山猫などの様々な野生動物の尿があります。これらは特別なところで売られており、ハンターたちは必要な匂いを用意して狩にでかけるとのことです。どのようにして売られているのか一度見たいものだと思いました。キャシーは私の大切な友達で、何故かとても気持ちが合って、よく話をしたりするのです。

2002 2/18

第157回 羊飼いの心境

羊飼いが犬をつかって羊を所定の場所に集めたり、進めたりしますが、私も羊飼いに似た行動をよくいたします。羊が猫にかわったことと、犬は使わないこと(犬が来たらたちどころに猫はいなくなってしまいます)が違うわけです。

6匹の家猫は原則的に家の中で生活していますが、冬の間はときどき外に出してあげます。こう申しますと「なんと可哀相な猫たち」と思われるかもしれませんが、こちらは蚤やティックといった動物にたかる虫が非常に多く、外で飼うペットは定期的にディップといって薬の溶液に体を浸して虫を退治しなくてはならないのです。これはかなり彼らにとって辛いはずです。そしてディップは獣医さんのところで行われるので大変手間がかかります。外に出さなければこの家猫たちはディップの災難を受けずに済むわけです。とにかく、冬の間虫の被害は減りますので外に出しても大丈夫です。そして6匹の猫を外にだして、30分程自由行動させてから家に入れるのですが、ここで羊飼いのテクニックが必要となるのです。長い間の経験で、所要時間は3分もかからず全員家に入れることができます。

2002 2/20

第158回 カプチーノとタビ

 

我家の猫はみんな迷い猫と拾い猫です。そして3匹は家族ですが(母親と娘2匹)他はみんなあかの他猫です。そんな彼らのなかにも友情や家族愛が生まれてきます。もちろん相性がありますから、みんなが仲良くなることはありません。カプチーノとタビは同じくらいの歳で、両方とも雄です。いつごろからか、兄弟のような間柄になってみていてほのぼのいたします。

タビがお兄さん的な存在でカプチーノは兄さんに従う弟でしょうか。2匹でつれだって食事の後探検にでかけたり、グルーミングを互いにしあったりします。私が一番気に入っている2匹の行動はレスリング。押さえ技がきまります。2匹ともお互いの頭を前脚で抱え込んで後ろ足でお互いの頭をキックしあったりします。常にタビがしかける側で、カプチーノは低姿勢でそれに応えます。2匹のレスリングが始まりますと私は近場の席に腰をおろして興奮しながら観戦するのです。

2002 2/22

第159回 にぎやかな庭

ここのところのポカポカ陽気で春が来たと勘違いしているのか、庭がとても賑やかです。鳥たちが朝早くから歌いだし、種類が違う鳥が競うように声をはりあげています。カーデイナルは夏から冬にかけてほとんど歌いませんが、春は彼らの季節です。きれいな歌声です。フィンチものど白雀も軽やかな声を出しています。そんななか、突然ブルージェーはギエーというようなとてつもない声を張り上げてその場をよく乱すのです。前にもお伝えしたかと思いますが、ブルージェーは日本のオナガのような鳴き声です。恐竜時代を思わせるような声です。

そして、そんな歌声のなかに、キツツキの木をつつく音がパーカッションの効果出してくれて庭はいっそう賑やかになります。でもこのポカポカ陽気は一時的なもので、2月3月は急激な寒さが来ることがありますから油断はできません。彼らの歌声を聞く限りここはもう春真っ盛りです。

2002 2/25

第160回 凶器の窓ガラス

冬の時期、餌台に集まる野鳥はかなりの数になります。この時期、小さな野鳥はグループで行動することが多いようです。天気の良い日にこの頃はよく事故が起こるのです。窓ガラスに移る景色がどう見えてしまうのか、驚いて飛び立つときにガラスに体当たりする鳥がでてくるのです。そのショックで気を失う鳥がでたり、あまりの衝撃で死んでしまうときもあります。窓ガラスに鳥がぶつかる音はもうすぐ聞き分けられます。私に限らず我家の全ての猫は聞き分けられます。ですから、この音が聞こえたら、すぐにかけつけてまず、鳥が倒れていないかどうか調べます。もし鳥が倒れていた場合はすぐに外に飛び出し、鳥を安全なところ(猫に見つからない所)に運びます。口から出血しているときは重症で少しの時間で死んでしまう場合が多いので、そのまま手にのせて介抱します。たいがい数分の後息を引き取るのでお墓に埋葬することになります。最近プラスチックの長いつららのような飾り物がガーデニングのお店に売られており、「これはいい」と早速何本か購入しました。事故の多い窓ガラスの前につるしましたら、気のせいか事故が起きなくなったようです。

2002 2/27