このサイトのTOPへ

第61回 レンの雛が孵った (第58回  カロライナ レンの続編)

レンの親鳥がこのところ活発に巣に出たり入ったりしているので、気になって出て行ったすきに巣の中をみましたら4匹の雛が孵っておりました。目はまだ開いておらず大きな頭に大きな口がとてもアンバランス、おまけに頭の上の毛がパンク頭のようでひょうきんな表情です。レンは卵を3個から4個産みます。一度に産まずに一日か二日に一個ずつ産んでいきます。親鳥は夫婦で協力して子育てをします。レンはオスとメスの区別がほとんどつきません。茶色にちょっと白いポツポツのアクセント模様、そして尻尾がピンとたって機敏な動作をします。その歌声は2,3種類くらいありとても大きな声で響きます。猫を威嚇するときの泣き声も結構それなりに威嚇している雰囲気があります。そして多分今回は2度目の出産だと思います。大体イースターのころ(4月)に巣づくりをして一回目の卵を産み、そして今ごろの夏の中間にもう一度卵を産むようです。

レンは虫(とくに蜘蛛)を常食としていますが、親鳥がくわえてくる獲物をみますといもむしだったり、羽のはえた虫であったりといろいろな餌を雛に与えているようです。猫のカプチーノとマミーがどうもレンの様子に気付いた様子でベゴニアの鉢を見上げたりその下で寝たりしているのが気になり、実は今朝安全なところに鉢を動かしてみました。そうしましたら親鳥は面食らってパニック状態、仕方ない、選んだ場所が悪かったとあきらめ、また鉢をもとのところに戻しました。うまく雛が成長し、巣から無事に飛びたてるようにと思っております。

8/15 2001

第62回  歩くこと

Dr.Namihira は私のファミリードクターです。彼は沖縄出身であまり経歴などは存知あげませんが年1回メデイカルチェックにうかがう時ちょっと世間話をするのです。私は風邪もひかず、あまり病気にもならないのですが、年一回血液検査をしてもらって Dr.Namihira といろいろ健康について話をしたりいたします。Dr.Namihira はポリオを患っておられ足が不自由で松葉杖をつきながら診療されておられます。とても熱心に診てくださるのでちょっと待つ時間がかかりますが、このごろはサッと診る Dr が多いのでとても人気がおありです。奥さんも日本人でとても小柄な方で先生の事務を手伝っておられます。お二人とも菜食主義者で食べ物には気をつけておられるようです。
Dr.Namihira が少しまえ息子さんと日本を訪れたときのことを前の検診のときにお聞きしました。

「Kinuさん、日本のお年よりがどうして健康なのかわかりましたよ。実は息子と東京の駅に行った時、駅の階段を上がりながら、コレダっと思ったのです。駅の長い階段をお年よりでも荷物を持って上がったり下がったりされているのを見て思ったのです。」と声を弾ませながらおっしゃいました。「やっぱり歩かなきゃだめですね。歩くことが一番ですよ」

確かにアメリカの生活はNYやシカゴ、ボストンなど大都市にいかないと歩くことはそうありません。歩く時は運動ジムや公園を運動として歩く時で生活の必要性から長い距離を歩くことはほとんどありません。私も東京で勤め人として働いていたときのことをふと思いました。バス亭まで歩ったり、時には走ったり、地下鉄の階段を上がったり、下がったり、思い買い物袋を両手に下げて家まで歩いたり・。知らず知らずにいい運動をしていたわけです。今は歩かなきゃと思いついて歩いているのですから住むところでいろいろ変るものがございます。

8/16 2001

第63回 女性と大工仕事

ミッシェルは私と同じ歳の女性友達です。彼女は本当にすごい人で感心させられてしまいます。なにがすごいって家を建てちゃうんですから。台所の床をはがしてタラコッタのタイルに張り替えるなんてオチャノコサイサイなのです。彼女の夢は2軒目の新しい家を全部自分で建てることだそうです、老後のために。ミッシェルに限らず私のまわりには大工仕事をする女友達がいっぱいいます。ヘンリエッタはバスルームとキッチンを改造してしまいました。電気の配線まで一部自分でしたとのこと。ヘンリエッタはもう60歳こえているのにご主人と重いバスタブを2階まで運んだりもうすごいのです。テレビのリモデリングなどの番組でも大抵男女のペアが番組を仕切っています。女性だって電動機具をらくらく使いこなしています。私はそこまではいきませんが、はしごをかけて屋根の落ち葉を落としたり、電動の庭機具で植木の剪定をしたり、どちらかというと本来夫がすることをほとんどしています。

今日は電気ドリルを購入しました。今まで欲しかったのですがなかなか決心がつかなかったのです。さっそくスタッド探知機やビットなども購入して少々重い黒板をキッチンの壁にかけました。このところちょっと物忘れがひどくなってきたので(年ですから)黒板にメモをするようにしようと思い立ったわけです。この黒板にはマグネットも使用できるので一石二鳥。電気ドリルが気に入ったのでこれから少しずつカーペントリーの分野に踏み込んでいこうかなと、フッと思ったりいたしました。

8/17 2001

第64回 イマジネーション

夕方ひととおりのことが終わって庭の椅子に腰掛けてあたりを見渡すとき、いろいろなイマジネーションがわいてまいります。私の好きな時間です。やはりこのときは懐かしい人を思い浮かべます。思い出をふりかえってちょっと笑ったり、しんみりしたりすることがあります。私の周りには外猫たちが夕食を終えて毛づくろいをしたりしてくつろいでいます。鳥達もねぐらに帰る前の腹ごしらえに忙しく餌をついばんだり、少しずつお日様が西に傾いてくると虫達が鳴き始めます。そんなとき空をみあげるとこうもりも活動しはじめています。 これから夜を迎える気配があちこちに感じられてなんとなくため息がでてきたりいたします。

わりと一人で過ごす時間の多い私は、いろいろなイマジネーションを思い浮かべます。自然界に対するイマジネーションが多いのですが、自分で思う疑問に自分なりのイマジネーションで回答を出してみたりすることがよくあります。そうしますとイメージがどんどん膨らんで面白いのです。小さな蛙を池からずっと遠くはなれた草むらで見つけたりしますと、「一体どうやってここまできたのだろう、卵を産むのにどうして相手を探せるのだろう、そして卵を産むのにどうやってあんな遠くの池にいくのだろう、、、」とか疑問がどんどん生まれてまいります。ふとこどもの頃テレビもなく、ましてはコンピューターなど誰も思いつかなかったあの頃、隣りの仲良し友達とレンゲ畑にいったり、公園の秘密の場所で砦をつくったりして遊んだあの頃のイマジネーションを思い出したりしました。イマジネーションは子供でなくともできるというのは有難いことだと思いました。

8/18 2001

第65回 ドロシーさん

私の親しくさせていただいている友達に85歳の女性がいます。彼女の名はドロシーさんといって、1950年代から70年代にかけて日本でミッション系の学校の先生をしておられました。彼女には100人を越すゴッドチルドレン(洗礼名<こちらではミドルネームという>の名づけ親がゴッドマザーでドロシーさんはそのゴッドマザー)が日本にいらっしゃいます。そして毎年クリスマスになりますと彼女はそのゴッドチルドレン皆にカードを送っています。私は宛名書きをお手伝いしているのですが、そのときに聞くお話はとても楽しいです。驚くことに一人一人の細かいエピソードや人柄まで覚えておられます。彼女はずっと独身を通され、キリスト教の敬虔な信者として日々神とともに生活されています。 最近は目が不自由になって外出もままならないので私はときどきランチをもっておじゃまして一緒にお昼をいただきながらお話をお聞きします。

一人暮らしでしかも目が不自由であまり外出できずとも彼女はとても明るく、ポジテイブで私はよく励まされます。神を信じる彼女が強さと喜びをもって日々を送っている様子を見るたびに、信じるものがあるということは人を幸せにするものだとつくづく思います。私がちょっと落ち込んだり、悩んだりするとき彼女と会って話をしますととても元気づけられます。キリスト教の聖書の話や、キリスト教に基づく生活観などをお聞きしていると私も信仰できたらいいなあと思いますが、これは心に確信をもって感じられなくてはならないものだと思うので、自分を強いるわけにはまいりません。いつか時がたって私の心にもなにか芽生えるものが出てくるのを待ってみようと思っております。

8/19 2001

ちょっと昨日の続き

こんどの水曜日にお昼をドロシーさんと一緒にいただくことになっています。
クリスマスカードを決めたので、そろそろ宛名書きをはじめることになりました。

第66回 テレビ番組

このところテレビ番組にリアルTV系の番組が多くなってきました。「サバイバー」「ビッグ ブラザー」にはじまり、ミリタリーの特訓で最後に誰が残るかとか、どれだけの恐怖に耐えられるかとかいうチャレンジ系の番組です。どちらかというと私は興味はあまりないのですが、こちらではとても人気があるようです。 そしてシリーズものですから無名の人でも何回か出ているうちに有名になってあらたなキャリアを得ていく人もいるようです。製作側では出演料(テレビの人気番組の出演者は映画俳優並みの金額を取る)を制作費に回せることもあっていろいろチャレンジできる点もあり、また視聴者も自分達の同じような人が出演することにより身近に感じることもあるようです。

日本では今どんな番組が人気をよんでいるかわかりませんが私が帰郷した折に感じたのは旅、料理、それにバラエテイー番組が目に付きました。番組は視聴率を重視しますから変わってまいります。こちらの番組にもいろいろありますが、ホッとしますのは昔の名画ばかり流すチャンネルとか昔のバラエテイーショーを流すチャンネル(ルーシーショーとかパパは何でも知っているとか、日本でいったら昔人気のあったお笑い三人組とかてなもんや三度笠、ザ ヒットパレード、ジェスチャーなどでしょうか)、それにアニマルプラネットという動物、自然のチャンネルなどです。日本でも昔の番組を流すチャンネルができたらたくさんいらっしゃるお年よりはきっと楽しまれるに違いないと思います。テレビを楽しみにされておられるお年よりは多いと思うのです。

8/20 2001

第67回 男の映画

こちらではいろいろな映画が毎日たくさん流れています。何度もよくでてくる映画は、ジョン ウェインのシリーズもの、ハンフリー ボガードのものとか男の人の好むものがあります。あまり何度も観ていてセリフまで覚えている人も多いかと思います。あと気が付く映画は「ダーテイー ダズン」。 戦争映画でリー マービン、テリー サバラス、ドナルド サザランド、チャールズ ブロンソン、他にも有名な人がでていました。落ちこぼれで手におえない兵士だけを集め、特殊部隊を組みドイツ軍の本部をアタックする筋書きです。あれだけ個性の強い役者が集まってぴったりと落ち着くのですからたいしたものです。この映画はよ〜く流れます。私も実は結構好きな映画です。ウェスタンはどちらかというとあまり好みではありません。

もし日本で ”男の映画” として流すとしたらどの映画になるだろうか考えてみました。やっぱり 「七人の侍」 とか、黒澤明の映画になるのでしょうか。日本でもケーブルテレビ局がどんどん出てきてそれぞれ個性のあるチャンネル作りをされたら近い将来 ”男の映画”、”なつかしの名画” だけを流すチャンネルもでてくるような気がします。そしてそのチャンネルを流す焼き鳥やさんなんかがとても流行ったりするとか・・。映画を観ながらお酒を少しずついただき、焼き鳥などをつまんだりしたらストレスをためた勤め人たちもちょっと一息いれられるのではないかと。でもそうすると家に帰る時間が遅くなるのでこれはよくないアイデアかもしれません。

8/21 2001

第68回 動物の意識

最近何かで動物や虫に意識はあるかという話に触れました。私は昆虫はちょっと判断しかねますが動物にはしっかりと意識はあると思います。本来未知のことを知るためにいろいろな本を読んだり調べたりして知識を得るのが普通ですが、私はどちらかというと自分で感じたものを信じたいと思っています。ただし人にそのことを話すときは気をつけます。あくまでもこれは私の感じるところだということをはっきり伝えます。話がそれてしまいました。とにかく動物をじっと見ているとその眼の様子とかしぐさなどでなんとなく彼らの思うところが伝わってくるような気がします。猫に囲まれておりますとやはり彼らの行動にいろいろと注意がいきます。

主人とちょっと口論などしますとメチャという猫は二人の間にはいっておろおろしながら見上げて止めようとしますし(いつも主人も私もメチャを見て笑ってしまい口論はおしまいになります、we owe you Mecha)、スクウイーキーは悪いと知っていながら何かをするときオドオド(なんとなく低姿勢で目をきょろきょろさせる)していますし、退屈だったりかまってもらいたかったりする様子(しつこいくらいにまとわりつく)もわかります。彼らの様子に気が付いたらその感情にそって相手をしますと安心したように彼らも答えてくれます。きっと怒りも、悲しみも、喜びもちゃんと感じていると思います。鳥なども夫婦で仲睦まじいカップルを見ていると(カーデイナルなどは夫が妻に口移しで餌をあげたり、モーニングダブはお互い毛づくろいもする)彼らにもちゃんと意識はあると思わずにいられません。虫や魚はどうかなあと思うので、これからちょっと自分なりに観察してみようかと思っています。

8/22 2001

第69回  Green Hills Garden Club 1

地元には10クラブほどガーデンクラブがあります。私もその一つのメンバーになっております。ガーデンクラブは月1回会合がありメンバーのお宅に集まってミーテイングをします。内容は地域社会の美化、ガーデンクラブでできるコミュニテイー活動への参加、フィールドトリップ(どこかの庭を訪ねる)、とか自然に関する話を専門家から聞くとかいろいろあります。私のクラブの会員は平均年齢65歳プラス一寸で、地元で始めて創立されたガーデンクラブです。Bed and Breakfast(日本でいいますと民宿となるのでしょうが、南部の大きなお屋敷をホテルにして泊まらせてくれるお宅です。宿泊プラス朝食だけサービスするのでこの名前がついています)のオーナーが5人もいるのでその方達の大きなお宅でミーテイングいたしますと”南部”にいるんだという気持ちを強く感じます。調度品などアンテイックが並び、間取りも昔のまま、そして木の床に高い天井とお宅にうかがうとタイムスリップした気持ちがするのです。

8/23 2001

第70回  Green Hills Garden Club 2

みなさんガーデニングにはやはり興味があり、いろいろ知っているので質問などしますと皆さんの意見がとびかい熱が入ります。またメンバーが病気やケガをしたときにはお見舞いをしたり、カードを送ったりとお互いどうし親交も深めています。私の両親が亡くなったときもクラブのメンバーが国道沿いの公有地にマグノリアの木を両親へのメモリーとして植樹してくれました。これは市役所に窓口があり、どなたでも申し込めば植樹できるのです。いいプログラムだと思います。ミーテイングの前にリフレッシュメント(お茶とお菓子など)をつまんで始まる前のウオームアップがありますが、私達のクラブはこのリフレッシュメントに皆さん力をいれていてそれは素敵なお茶とお菓子が並びます。そして必ずゲストスピーカーがいらしてミーテイングの前にセミナーがあります。蝶の収集家、ヘビ研究家、市の美化管理局長、お花屋さん、ギフトラップの専門家、アーテイスト、生け花専門家などが今までゲストスピーカーでいらしています。6月から8月までの3ヶ月は夏休みでお休みです。来月新たにミーテイングが始まりますので楽しみです。ちなみに年会費は20ドル(2000円ちょっとでしょうか)です。

8/24 2001

第71回 アレッ!

昨日の夕方にはちゃんと4匹ともいたのです。「じゃ、おやすみ。また明日」と挨拶したのですから。それが、今朝餌台に餌をのせて「どれ、みんなどうしているかな」と覗いてみると、、、。空っぽなのです。そうなんです、例のレンの子供達が夜中か、明け方早くに巣離れしてしまったのです。前例からですと飛び立つのにちょっと練習しながら飛んでいったのに今回は全員一気に飛んでいってしまったようです。巣の中は空っぽ。フンのひとかけらもなく見事にきれいです。飛ぶ鳥あとを汚さず(正しいかどうか、、、)。まったくたいしたものだと思いました。一度親鳥が餌をやり始めたころに巣を覗いた時の面白い情景を思い出しました。みんなおとなしくこちら向きに並んで顔を向けていたのに、私の気配を感じるや否やクルッと後ろ向き、あるいは下を向いてしまったのです。その様子がまるで機械のように一斉にパッと行われてあまりに突然だったので私は笑ってしまいました。

親鳥はそれは一生懸命に日夜餌を運んでは与えておりましたし、フンをその場に捨てずくちばしにくわえてどこかに運び去ってゆきました。たいしたものだと思いました。レンは夫婦で子育てしますがハミングバードは母親だけで育てているようです。夫婦一緒にすごす鳥のカップルはほほえましいものがあります。またどうしてたくさんいる同じ種類の鳥のなかで自分のパートナーを見分けることができるのかなあと不思議に思います。レンの子供達が飛び去ってしまってなんだかちょっと寂しいような気がします。親鳥のあのせかせかした鳴き声に慣れておりましたし、ときどき覗く巣の中の子供達が可愛くて毎日楽しんで挨拶していたからです。でもまた来年新たにこのプロセスが見られることと思いそのときまで待つことにいたしましょう。

8/25 2001

第72回 片思いの心境

日本にいる友人達や知人に対する思いは日頃よく心に浮かんでまいります。メールや手紙でやりとりしても、やはり本当の気持ちをすっかり伝えることはできません。会って話せば目の表情や、しぐさや声のトーンなど微妙な表情を通して意思疎通ができるわけです。こうしてEメールで簡単相手にメッセージを送ることができても、心のなかにはなんとなく片思いの心境に似たやるせなさを感じることがよくあります。贅沢なことですね。今までは手紙を送ると日本に届くまで約一週間、相手が受け取ってすぐ返事をくれてもまた十日間くらいかかるわけで、あまりに時間がかかって手紙で書いたことも返事をもらうころにはほとんど過去形になってしまったりいたしました。Eメールの場合は留守番電話にメッセージを残すようなものですから、時間的な空間は大きく狭まりました。

日本にいる家族、友人、知人が病気になったり、悩んでいるのを知るにつけメールでいくら気持ちを伝えても、なんとなく伝えられていないような気持ちになります。文字に表せない部分というのは多いと思うのです。これは寂しいものです。もうこうなったら念力で気持ちを送るしかないような感じがいたします。目を閉じて、相手を思い浮かべ、一心に思いを伝える。そうしますとワープの早さでその思いの塊が思った人の所に届くようなそんな気持ちがいたします。これが実際効力があったかどうかその人に尋ねてみたことはありませんが、きっと届いているのではないかと思うようにしております。まったくこれは本当にせつない片思いの心境でございます。

8/26 2001

第73回 トラックドライバー

今朝ラジオのトークに興味深いエピソードが出てきて聞き入ってしまいました。トラックドライバー向けのラジオ局がありとても人気があるようです。ホストはかれこれこの番組を30年もやっているらしいです。
アメリカのインターステート(国道)を走るとそれこそたくさんのエイテイーンウィーラー(18のタイヤ、つまり大型輸送トラック)に出会います。トラックドライバーの生活はとても孤独だと聞いています。長時間のドライブ、夜も走りつづけ目的地に向います。これだけ広い国ですから目的地に向うまで何日もかかることがあります。トラックには仮眠できる設備のついているものもありインターステートにはちょっと仮眠をとれるように国道沿いにループをつくってあるところもよくあります。大きな車体ですから食事するにもトラックドライバー向けのダイナーしか寄れませんが国道沿いにありそこで仲間に会ったり、隣に座った人と世間話をしたりするのでしょう。でもほとんどは運転席に座って運転しているわけですから大変な仕事だと思います。

そこで今日紹介されたラジオのトーク番組は画期的なものだと思いました。ホストに電話して曲をリクエストしたり、ホストが「いま何処を走っているんだい」と質問すると「いまオクラホマのどこどこの辺だよ」とか「ニューオリンズに向う橋をわたっているところだよ」とかそれこそアメリカ中のトラックドライバーから電話がかかってきます。もしドライバーがこの番組を聞いていたならきっと「こうしてあいつも今トラックを走らせているんだなあ」といった親近感を感じ、なにか心があたたまる思いを感じるのではないかと思います。日本でもこうしたトラックドライバーの方は大勢いらっしゃるのでしょうね。でもアメリカの国道はとにかくなんにもないところをものすごい距離続くところもあり、かなり日本の道路のイメージとは異なるものがあります。きっと今度インターステートを走ったときトラックを見たらこの話を思い出すことでしょう。

8/27 2001

第74回 チャンネル サーファー

私は女性が集まったとき気軽な話をしているときに、よく皆さんに聞く質問があります。ご主人、またはボーイフレンドがテレビを観ているときにチャンネルを頻繁に変えるかどうかという質問です。チャンネル サーファー(サーフィンする人)というらしいです。主人とテレビを観ていると彼はコントローラーを手に親指をひっきりなしに動かしチャンネルを変えています。一緒にいますと私は目がまわってしまいます。ですから彼がチャンネルをひっきりなしに変えている時は目をつぶって止まったところで目をあけて観ます。なんでもこうすることは彼のストレス解消だというので私は文句は言えません。ストレスがたまってしまったら困りますから。

こちらの友達に聞きますと、これはよくあるケースみたいです。「うちもそうよ」という声がよく返ってきました。我家にはテレビが一台しかありませんから我慢しながら目をつぶったり開いたりして付き合うか、他の部屋で他のことをすることになります。アメリカでは一軒に何台かテレビがあるようですから大きな問題にはならないようです。日本の男性はどうでしょうか。このようにひっきりなしにチャンネルを回しておられるのでしょうか。ちょっとアンケートをとってみたい気がしました。主人に「今何を観てるわけ?」と聞くとなんと「5つの番組を同時に観ている」というのです。これにはまいりました。

8/28 2001

第75回 ジャーナリズム

日本に住んでいたときはいわゆるドキュメンタリー番組はそんなに観ていなかったように思います。教育番組のようなまじめな内容で、しっかり観ていればそれなりのインパクトを感じることができたのでしょうが、私を引き止めるまでのインパクトはなかったようです。アメリカに来て以来、報道番組はよく観る番組となっています。キャスターのパーソナリテイーに魅力がありますし、そのキャスターが内容の構成をするわけですからそれぞれの持ち味が出ます。ウオルター クロンカイト、バーバラ ウオルターズ、ピーター ジェニングス、バーナード ショウ、クリスチアーナ マンプール等他にもたくさんの素晴らしいジャーナリストがいます。彼らはもちろんインタビューの原案も自分で考えます。アメリカの報道番組はカテゴリーの割合にしますと様々な番組がある中かなりの割合を占めています。報道番組はジャーナリストの力で大きく世論を動かすことになります。

今日も「Breaking News」という番組を観ました。月着陸の時の報道、中東戦争の現場取材、カストロ大統領へのインタビュー、ホメイニ師へのインタビュー、オクラホマシテイーでの爆破現場取材、マンデラ大統領へのインタビュー、一時間の間に歴史的重大事件がどんどん流れていって目が画面にくぎ付けになってしまいました。これらを担当したジャーナリストがそのエピソードなどを語る構成でした。キャスターは私情をその番組に入れてはいけないわけですが、キャスターも人間、悲惨な現場での取材や、信じられない出来事にその感動、感情はなかなか隠しおおせるものではありません。そして私もキャスターの人間的な反応を観て逆に一層感動を覚えました。これからもジャーナリズムへの注目は続きます。

8/29 2001