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第101回 十月になると

十月になるとこちらは慌しくなってまいります。 もちろんクリスマスの影があちこちにちらつきますし、その前にハロウィーンが控えています。 11月の感謝祭もかなりの行事です。 主婦の手帳にはいろいろ書き込みが始まっていると思います。 毎日郵便受けにはカタログがたくさん届きます。 今年は不景気ということもあり、カタログ販売はこれからクリスマスにかけて必死の追いこみとなります。 今年の動きが気になります。

昨年の十月半ば、主人がNYのロングアイランドに3ヶ月間(9月から12月)仕事で単身赴任しており、一度だけ訪ねてまいりました。 秋のロングアイランドは紅葉が美しく、広い農場ではハロウィーン用のパンプキンが山のように積まれ、子供連れの家族が真剣に選んでいる様子はとてもほほえましい光景でした。 またロングアイランドにはワイナリーも数多くあります。 私達が訪れたのは日曜日で残念ながらどこも閉まっておりました。 NYのダウンタウンからそう遠くないロングアイランド、とてものんびりしたいいところです。

2001 10/1

第102回 目の不自由な鳥

鳥の餌台は庭の各所に全部で6ヶ所に設置しております。 すずめが大分増えましたがハウスフィンチというすずめに似た鳥も数多くまいります。 すずめよりもちょっと小ぶりで細めの鳥でオスは胸が美しい濃いピンク色で、メスは体全体が地味な茶色系の色です。 一つの餌台がダイニングの窓からよく見える位置にありますので朝食のときによく眺めます。 目の悪いフィンチが何匹か目にとまり、どうしても注意がいってしまいます。

もちろん連れ合いがいるようなこともなく、友達が餌を持ってきてくれることもなく自力で生きていかなくてはならないようです。 ただ全盲ではないようで仲間の声を頼りに餌台に来て、また動く影でも少し見えるのでしょうか。 餌をついばんでおります。 危険を感じて飛び上がったときに木の枝のほうに飛んでいきますが、すぐには枝に止まれません。 パタパタ翼を動かしとにかくあしが触るものをつかんでいるようです。 すごいなあと思ってしまいます。 一生懸命に生きている目の不自由な鳥、偉いなあと思ってしまいます。

2001 10/03

第103回 十月の花火

「冬の花火」は太宰治の作品で、そこでは線香花火でした。 私の最も思い出に残っている花火は2年前に見た十月の花火です。 母が倒れ泊り込みの病院生活が始まってすぐのころ、病院の消灯は早くもちろん眠れるわけはなく、窓のそばに一人こしかけて母の顔を見ておりました。 そのときドーンという音が聞こえてきたのです。 花火の音に聞こえたのですが、まさかと思いそのままおりましたら、またドーンとなり急いでカーテンを開けて外を見ました。

大きな花火が目の前にあがりました。 びっくりしました。 いつも帰郷は12月末から新年にかけての2週間としておりましたので、もう足利の花火は見られないなあと残念に思っていたのです。 その私の目の前で美しい花火が次々と打ち上げられました。 見ていて涙がでてきてしまいました。 なんとなく母からのプレゼントのような気がしたのです。 私のために打ち上げられた季節はずれの花火。 あのときの花火は決して忘れられません。

2001 10/05

第104回 寝苦しい夜

これから寒くなってまいりますと私は寝苦しい夜を迎えなければなりません。
普通寝苦しい夜というのは熱帯夜とか暑い夏に訪れるものですが、私の場合は冬なのです。 と申しますのは、内猫の6匹のうち5匹が(一匹はベッドの下で寝る)私の身体で暖をとるため5匹が身体の両脇、にぴったり寄り添って寝るために身動きが出来なくなってしまうのです。 熟睡しても、身体が無意識のうちに彼らのからだを意識して寝返りを止めてしまうのか、身体を硬直させたまま眠らなくてはならなくなり、朝身体のあちこちがこってしまいます。

おまけになんとなく熟睡した気分もなく疲れがちになります。 締め出せばいいではないかとおっしゃるかもしれませんが、そうしますとドアをカリカリしたり「入れてくれ、入れてくれ」とそのほうがもっと眠りの妨げになります。 いまあれこれどうしたらよいか対策をねっております。 良案がございましたら教えていただきたく思います。

2001 10/08

第105回 月に住むうさぎ

月に人間が降り立った今でも、私は夜美しい月を見るとまだウサギがもちをついているイメージを思い浮かべます。 実家に里帰りした折、夜チャルメラの音を聞いてまだビクッといたします。 昔、きっと子供が屋台で売られる物を欲しがらないようにしようとした親心でしょうか、ちょっと怖い話を聞かされてそれが今でも頭にインプットされているからです。 子供のころに頭に深くインプットされた考えはずっとついてまわるものなのですね。 親は軽い気持ちで御伽噺を話すように言ったことでも、子供にとってはとても恐ろしかったり、不思議だったりするわけです。

どうせなら、子供のころにお月様ではウサギがもちつきをしているといった夢のある楽しいお話をたくさん聞かせてもらいたいものだと思いました。 いくら科学が様々な事実を明らかにしていっても、頭のなかにインプットされたイメージは大人になって私達に想像する楽しさをも持ち続けさせてくれる気がするからです。

2001 10/10

第107回 どうしましょう

10月になりますとどのお宅でもそろそろハロウィーンの飾りつけをはじめます。 パンプキンを干し草の塊の上にかざり、かかしや魔女の飾りをつけたり、ドアにはとうもろこしや色とりどりの瓜をアレンジしたり各家がそれぞれのイメージを感じさせてくれます。 十月に入って少し経ちますがまだ飾り付けはみられません。 隣のヒルダに「今年はあの事件があってハロウィーンもクリスマスも静かなものになってしまうの?」と聞いてみました。

ヒルダは「そんなことないよ、私ももう少したったら魔女の飾りを郵便受けに飾るつもりだから」と言っていました。 でもなんとなく今年は盛り上がりには欠けると思います。 私も小さなパンプキンをドライブウェイの横の楓の木に下げるつもりでおりましたが、まだ飾らずにいます。 どうしましょう。 子供たちの気持ちはどうなんでしょう。 ハロウィーンのコスチュームやお菓子をもらう楽しみが今年、いつものようにあるのでしょうか。 ちょっと気になってまいりました。

2001 10/15

第108回  すごいルアー

日曜日の新聞で読んだ記事です。釣りは釣りでもルアーを使う釣りのことです。コネテイカットの小さな会社が本物の小魚が泳ぐようなルアーを開発したらしく話題になっているようです。トーナメントに出る釣り人が試したところあまりによく釣れるので驚いたようです。またトーナメントには活餌(?)は禁じられているのですが、このルアーはまるで活餌と同じような動きをするのでもしかしたらトーナメントでの使用禁止になるかもしれないとのことです。

これは会社にとって大きな痛手となります。 トーナメントでその威力を発揮したルアーというお墨付きが大きなセールスプロモーションとなるわけですから。フロリダのオランドで釣りのベテランが一人はこのルアーと使い、もう一人は自分のお気に入りのルアーを使って釣りを行ったところ、新しいルアーの釣り人は41匹、そうでない釣り人は14匹の成果だったとのことです。魚はきっとこのルアーがトーナメントに使われないことを祈っているでしょう。

2001 10/17

第109回 たいしたものです

先日ヴィックスバーグから車で約1時間くらいのところのブルーン湖に友人を訪ねて行ってきました。 大きな湖で湖の周りには思い思いの家が建っており、湖にはデッキが長く突き出ておりボートがつないであったりしています。 友人の家の隣には彼の御母さんの家が建っています。さっそくサンドイッチを持ってデッキを先端まで歩いていきました。湖の淵から中ほどへ100mくらい突き出ています。釣りざおを立てる金具がたくさんデッキの柵についていました。

友達が夜釣りをしていて釣りざおを金具に立ててちょっと家にもどったら、その間にアライグマがデッキにやってきて釣竿の糸を手繰るようにしてひっぱり、かかった魚を食べてしまったという話を聞きました。私はアライグマが釣り糸を手繰り寄せている様子を思い浮かべ、家にくるアライグマが器用に手をつかってピーナツなどを口に運ぶ様子を思いだし、彼らにはできるとはっきり思いました。

2001 10/19

第110回 びっくりしました

まだお昼ちょっと過ぎ、PCに向って仕事をしていたら窓の向こうになにやら動く影が、、、。 よく見ると茶色のちょっと大型の動物だったので、「野犬だ!」、猫は大丈夫かなという思いがすぐ浮かびました。 目を凝らしてみると、なんと若い雌鹿でした。 公園と家の庭の間の小道(公園管理局が何の理由か小道をつくってしまったのですが、人が通るわけでなく、アライグマや猫やこうして鹿が利用しているようです)をゆっくり歩いて通り過ぎてゆきました。

鹿はあまりみかけないのでいつもこうして出会うととても感動いたします。場所によるとたいへんな被害(ほとんど選り好みをせず庭の植木を食べてしまうらしいです)を出すと聞きますが、こうしてなにげなく見かけるとその美しさに見惚れてしまいます。 私にはどうしても理解できません、ハンターが鹿に出会い、その姿を見ても銃で撃とうという気持ちがどうして起きるのかを、、、。
 人は様々なんだなあとつくづく思いました。

2001 10/26

第111回 H.O.G

何の略だと思いますか? Harley Owners Groupだそうです(ハーレー デビッドソンのバイク)。 今週末にVicksburgにH.O.Gのメンバーがいろいろなところから集まってきたようです。H.O.Gのメンバーは全国にネットワークを広げており毎年いろいろなところでその集いが行われているようです。今回Vicksburgを訪れた人のなかにメリーランドの方がおり、この方は医療機器の技師が本業ですが、今年7箇所のH.O.Gの集いに参加することにしているとのことです。Vicksburgもその一つなわけです。 9月11日以降の集いに参加することはこの事件で亡くなった(ペンタゴンで)友人を偲ぶための参加にすることにしたとのことでした。

この全国17州で行われるH.O.Gの集いに集まるライダー達は本物のライダーで(ちょっとこの意味がわからないのですが、、、)、全部あわせると600人から800人くらいになるとのことです。 そして彼らは相当な距離を走って遠くはカナダからも参加される方もおられるとのことです。街中で何台もハーレーのライダーに出会いましたが、マシーンは完璧なまでにピカピカで、大抵は皮のおそろいのシャープな服、おそろいのヘルメット、それにミラーのサングラスをかけたカップルで、2000モデル級のマシーンともなりますとみなさんかなり大柄な方ばかり。それに見事なヒゲと発達した筋肉の体型。プロのライダー、やっぱり貫禄があります。

2001 10/29

第112回 戦いの時到来

今年もまたやってまいりました。戦いの時期です。10月も終わりに近づく頃になりますと庭の木々が葉を落とし始めるのです。暑い夏の間は木陰をつくってくれて助かるのですが、この落ち葉の時期はもう大変です。掃いても、掃いても、掃くそばから葉が落ちてきて途方にくれてしまいます。でもそんなとき一寸でも強い風吹きますと落ち葉が風に舞ってそれは楽しい光景が見られます。そんなとき汗かきかき集めた落ち葉が飛ばされて折角の仕事が水の泡となっても怒りの気持ちは湧いてまいりません。この落ち葉との戦いは11月の半ば頃まで続き、木々はすっかり葉を落として静かになります。

静かになった庭に野鳥が餌を求めて大勢やってきます。北の方から渡ってくるゴールドフィンチや、ホワイトスローテッドスパロウ(のど白のすずめ)などが冬の間ここで過ごします。 11月いっぱいはヒイラギ、はなみずき、他の木の実が彼らの大切な食料となります。実をつける植物は野鳥をよんでくれることもそうですが、植木としてみるのも楽しいものです。ヒイラギの実がだんだん赤くなってまいりました。

2001 10/31

第113回 あったらいいなぁ

秋から冬にかけてあったらいいなあと思うものがいくつかあります。 欲張ったらきりがないですが、、。 まず追い炊きのできるお風呂。それも小さくてもいいですから首までしっかりつかれる深さが欲しいです。 それとこたつもいいですね、特に我家の猫は大喜びすることでしょう。 でも6匹がこたつに入ったら足の置き場がなくなってしまうかもしれません。 もう二つほど。 それは日本のサツマイモ。ほくほくしたサツマイモがあったら嬉しいです。こちらのスウィートポテトはオレンジ色でたとえオーブンで焼いてもサツマイモのほくほくさは望めません。

最後におでんだね。 日本に帰りますとスーパーや惣菜屋さんに並ぶ数々のおでんだねを思うとため息がでてまいります。 こちらでもおでんはできますが材料に厳しい限りがございます。様々な練り物、それに美味しいがんもどきがあったら最高ですね。他にも言い出したらきりがありませんが、この4つが秋から冬にかけてとても恋しく思うのです。

2001 11/02

第114回 もぐらたたき

ゲームセンターにあるもぐらたたきのゲーム。 あのようにモグラが顔をだしてくれたら助かるなあと近頃特に思っています。 と申しますのはモグラがなんだかこのごろ地下を忙しく走り回っているようで、毎朝裏庭にでますともこもこと地面がもりあがっています。 外猫は知ってか知らないのか全く役にたっておりません。べつにモグラに恨みがあるわけではないのですが、植物の根に隙間ができて根が弱ってしまうことがあるので大変困るのです。

ガーデニングのカタログには虫退治、かび退治、鹿やうさぎを追い払う機器、ナメクジ撃退用具などちょっと物々しい製品が紹介されているなかに、必ずモグラ退治用具がいくつかのっています。超音波を流したり、煙で追い払ったり、なんだかコレダというインパクトがないようにな雰囲気です。私の場合は、やはり外猫に仕事猫として働いてもらうしかないようです。なにか良案がありましたら教えていただきたいものです。

2001 11/05

第115回 サイン

たくさんの猫と一緒に生活をしていて、彼らのサインをどう読み取るかは一番難しいところです。 猫一匹一匹それぞれ異なる性格、くせの持ち主、静かな猫、元気なねこ、あまりかまって欲しくない猫、かまって欲しい猫いろいろおります。 一番分かりやすいサインは食欲でしょうか。 一日2回付き添って食事を与えていますので誰が食欲があって、どのくらい食べたかということは一目瞭然です。 トイレは家猫の場合はリターボックスがありますからその中で尿、糞の状態、量もわかります。 トイレのくせもありますので、誰のものかある程度わかるのです。

外猫ルーシーが一日半姿を見せず、見つけたときはほとんど動けなかったので急いで獣医につれていき血液検査をしたら肝臓に異常があることがわかり今入院中です。 動物は健康を害すると弱ったところを外敵に襲われないように本能的に身を隠すのではないかと思うのです。 長年猫と付き合ってきていますが、まだまだ彼らの出すサインをきちんと理解できないのがつらいところです。

2001 11/07