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第131回 懐かしいにおい

ちょっと冷え込む日は、外に出ますと木の燃える香りが空気のなかに感じられます。そうしますと、とても懐かしい気持ちになります。日本ではこのごろは焚き火などできないようですが、昔、焚き火は秋とか冬によくしたものでした。また我家では薪で焚くお風呂でしたので、夕方になりますと、煙突から木の燃えるにおいが家に入ってきたものでした。

こちらは、暖炉のあるお宅が多いので、寒くなりますと暖炉に木をくべて暖をとります。 このごろはガスログといって、薪が組んだようになった置物を暖炉の中におき、ガスをひねって火をつけますと、ほんとに薪が燃えているようなきれいな炎を見せてくれ、薪よりも暖かく感じられます。そして、もっとアドバンスになりますと、リモートコントロールでスイッチをおすとパッと火がつくようなものもあるようです。でも、薪が燃えるとき、パチパチとはじけるような音がしたりしますが、何にしても本物には勝てないような気がします。寒くなってきて、この懐かしい薪の燃えるにおいが辺りに漂ってきました。暖かい気持ちがいたします。

2001 12/14

第132回 仕事人たち

なんと表現してよいか分からず、職人とも異なるので、仕事人となってしまいました。プラマー(水道管、排水溝、ガス管などの専門職)、大工さん、ペンキ屋さん、いわゆる家に関する修理や、建築などに関わる仕事人の方たち、ほとんどは男性ですが、日本の仕事人の方と共通して、口数が少なく、ちょっととっつきにくいイメージがあります。これは特技というかどうか分かりませんが、私は、仕事人の方との相性がいいのか、大抵の方は、いろいろな話をしてくださいます。

専門的な知識と技術をお持ちの仕事人の方々の仕事を見たり、話をお話をおききするととても興味深いものがあります。先日も本当はカーペットの張替えをしようと考えていましたが、カーペットの張替えの仕事人の方と話をしていて、ラミネートの床にすることに急遽変更しました。この変更は正解でした。仕事人の方たちは、普通聞かれたことに対し短い返事で対応されるくらいですが、ひとたび心が通じ合いますと、いろいろ教えてくださいます。我家の出入りのプラマー、大工さんはこの家に住むようになって以来のお付き合いでなんだか、今では他人とは思えない気がいたします。

2001 12/17

第133回 竜巻警報

このところ不順な天候が続いており、気流の乱れから雷がよくなっています。 そして、昨日は午後4時ごろ竜巻警報が街じゅうに鳴り響きました。 先月ミシシッピのジャクソンのある地区に竜巻が発生してかなりの被害(死者9名、家屋の破損も相当なものでした)が出たので、緊張しました。 まず竜巻警報が出るときはどんなに昼間でも真っ暗になり、生暖かい風が吹き始めます。 そして雷なども聞こえてきて、静けさがやってきます。 そして竜巻の近くではそれはものすごい風が生じて、木が大きくしなったり、もぎ倒されたりします。 一度我家の裏庭を小さ目の竜巻が通っていきましたが、大きな木の上から三分の一が折れ飛ばされ地面に突き刺さっていました。 あまり深く突き刺さっていて全部引き抜くことは出来ず、今もかなりの部分地下に埋まっています。

警報が鳴ったら、家の真中の、窓のない空間に避難するようにいわれているので、我家の真中へんのトイレに電話をもってたてこもりました。なにも知らない猫達は入れてくれとドアをカリカリこするのでいれてあげると、今度は出たいと泣く始末。それが4,5匹入れ替わりたちかわりで緊張もほぐれました。お陰さまで何事もなく済みました。有難いことです。

2001 12/19

第134回 ドロシーさんと   第65・76回参照  おじじ

明日ドロシーさんとお昼を食べます。「何が食べたいですか?」とお聞きしたら、あるカフェテリアのサーモンコロッケと野菜、それにチョコレートパイがいいとのことで持ち帰りで詰めてもらってドロシーさんのお宅へ行ってきます。 クリスマスカードが日本から何通も届いているらしいのですが、目が不自由で読めないので読んでさしあげることになっています。それといつもいろいろな話が生まれてすぐ時間が経ってしまいます。

ドロシーさんとキリスト教の関係をお聞きするたびにそれだけ信じられる神様が自分にもいたらと思うのですが・・・

2001 12/21

第135回 降り続く雨

人間というのは勝手なもので、雨が降らないと不満を言い、降れば晴れて欲しいと願うものですね。 ここ2、3年雨が少なく、水遣りが大変でした。 そして、大分植木も弱り、つつじも何本かやられてしまいました。 去年の夏から定期的に雨が降ってくれて、水遣りもそう大変な思いをせず有難いことだと思っています。 来春咲くはなみずき、つつじの蕾ももうはっきりわかり、数を数えてみたら、ここ数年来一番多く蕾がついているので来年の春が今から待ち遠しく感じます。

このところ雨の日が多く、地面はいつも湿っており、外猫は恨めしそうにガレージの中から外を見ています。こんなに雨が多く降ると地面が水をすいすぎて軟らかくなって木が倒れないかなあという心配が生じてしまいました。 想像力というのは楽しく、わくわくするものですが、変な方向に発展すると疲れたり、心配が生じてきたりいたします。 まったく人間の頭の中(いや私の頭の中)はどうなっているのでしょう。 それにいたしましても、そろそろ晴れてほしいと思う今日この頃です。

2001 12/24

第136回 寝子=猫

本当によく寝る動物です。どこかの本で猫は一日のうち80%は寝るとかと書かれていましたが、本当だと思いました。 また猫の寿命は犬よりも長いようですが、これは彼らが寝る時間が長いということに関わっているような気がします。彼らは寝つきも早く、あっというまに、瞼をぴくぴくし始めたり、手肢を動かして何か夢見ているような状態に入っていきます。 見ていると面白く、つい見入ってしまいますが、目をちょっと開けたり、白目になったり、くちをぴちゃぴちゃ鳴らしたり、見ていて本当に飽きません。

それに鼾もかきます。タマは鼾の大様ですが、多分彼女はちょっと肥満であり、また空気が通る管が狭まっているのか、あまりに大きな鼾で他の猫もタマの鼾をちょっと気にしているようです。そして夏はなるだけ身体を平らにして熱の発散を促し、寒くなるとアルマジロのように丸まって熱を確保するように体制を変えています。そしてなによりも冬になりますと、夜寝るときとにかく体の周りに寄り付いてきて私たちも暖かいのですが、前にもお伝えしましたが、身動きができなくなって困るのです。

2001 12/26

第137回 リゾリューション

日本も年頭に今年の目標などを言ったり、自分で密かに思ったりする方がいらっしゃると思います。こちらも同じで、リゾリューションを各自持つことになります。そして、それは大抵ダイエット、体重減少に関係したことが大きな割合を占めるようです。原因はとにかく11月の感謝祭とクリスマスの間のパーテイーや様々なお祝い料理。とにかく、リッチな料理をこの時期食べることになるので、余程の強い意志が必要となります。そして、一月にはスポーツクラブに入会する人のなんと多いこと。 それにスポーツ機具もよく売れるようです。

パーテイー料理につきものなのは、チーズ、サワークリーム、などの乳製品、クッキー、パイ、ケーキに含まれる砂糖、それにやはりオイルでしょうか。美味しそうに盛り付けられた料理を前にダイエットの言葉は浮かんできても弱々しく、そしていつのまにか消えていってしまい気がつくとどんどん料理をお皿にとっている自分に気がつきます。私の新年のリゾリューションはここでは言えませんが、きちんとひとつ守れるようなものを用意いたします。皆さんはどうされますか?

2001 12/28

第138回 寒い日に思うこと

このところの寒さは普通ではありません。本当に寒い日が続いています。鳥たちは毛を膨らませて枝に止まったりしていますが、本当にどう寒さをしのいでいるのでしょう。ですから餌はこのところ一日3回あげなくてはなりません。度ごとにきれいに食べきってしまいます。それと朝水のみ場の氷を割ってぬるま湯を入れてあげなくてはなりません。鳥はよく水を飲むのです。

 でも毎朝元気な歌声を聞かせてくれて、元気に姿を見せてくれますとこちらまでなんだか元気になってくるようです。リスにしましても高い木の枝にハッパなどで作った巣で生活していますが、寒い日に雨が降ったりしますと心配になります。雨漏りはきっとひどいでしょうし、寒いでしょうし、どうしているのだろうと、、、。彼らはそれが普通に思っているでしょうが、彼らの生活を思うと小さなことに不満を感じることが恥ずかしい気持ちがいたします。

2002 1/07

第139回 リスの死

ほんの一瞬のできごとでした。何かが落ちた音がして振り返るとリスが倒れて起き上がろうとしていました。大きなオークの木から落ちたようです。10階建てのビルの高さくらいあります。起き上がろうとしていますが多分脊髄にひどいダメージがあったのかもしれません。まず外猫を近づけないように部屋に入れ、ゆっくり近づいてみました。本能的に傷つきながらも逃げようとするので私は近づくのをやめました。捕獲して獣医さんにつれていこうとも思いました。

次第に呼吸が弱くなって、痙攣したように身体が動いています。少し近づいてみました。逃げようとしないのでもっと近づいてみました。目は開いたまま呼吸の回数が減ってきています。口には血がにじんでいました。獣医さんにつれていってももうだめだと思い、そっと背中に手をあててみましたら、反応がないので、ゆっくりさすってあげました。2,3分経ったでしょうか、静かに息が止まり動かなくなってしまいました。まだ暖かいリスを両手で持ってお墓をつくって埋めました。お墓の底にオークの落ち葉をしいてあげてリスを横たえて、そのうえにも落ち葉をかけてあげました。
    合掌。

2002 1/09

第140回 縁

本当に縁とは不思議なものですね。今までいろいろな縁でめぐり合った人、場所、物、動物、本、他にもたくさんあります。縁という言葉を考えるとき、どうしても私は不思議な何かの力を考えてしまいます。「こうなるはずだったんだ」と思ってしまいます。そうしますと、とても心が落ち着くのです。理由はいらない。ただ「こうなるはずだったんだ」です。そして不思議なことに、何かを選択しなくてはいけないとき、どちらかを選びますね、そのとき、はっきりこうなるだろう、という予測ないし気持ちがした場合はもちろんそれに従いますが、はっきりしないとき、ふっと浮かんだ気持ちを迷うことなく選ぶことができます。

そのふっと浮かぶ何かが不思議な何かの力なんでしょう、きっと。いろいろな縁によって今の私があると言ってもいいような気がします。そしてこれからも縁によっていろいろなことが生まれたり、変化したりしていくことでしょう。でもそれをとやかく言ったり、考えたりしないで流れに身を任せていこうと思っています。「こうなるはずだったんだ」と思うとなんでも受け入れることができるように思うからです。

2002 1/11

第141回 ドロシーさんと

昨日はいつもドロシーさんの姪御さんがドロシーさんとDRアポイントメントや、ヘアーアポイントメント、買い物などをする日だったのですが、姪御さんのご主人が入院されて私が代わりにご一緒することになりました。髪結いさんはヘンリーというドイツ人で、30年以上この土地に住んでおられますが、まだ強いドイツ訛りを持っていて、スケジュールにとても厳しく、10時20分の予約でしたが10時5分ころ着いてしまい、ドロシーさんが「10時20分にドアを開けたい」とのことで車の中で話をして10時20分きっかりにドロシーさんは店に入っていきました。

DRの診察はすぐにすんで、カフェテリアでお昼を一緒に食べていろいろお話をしました。そのあと、スーパーでドロシーさんの買い物リストの品を購入しお宅に戻りました。かなりの運動量で、85歳のドロシーさんの行動力に頭が下がりました。お話のなかで、元気を保つ秘訣として、ルーテイーンのある毎日を送ることがいいのではないかとおっしゃっておられました。毎日日課をたてて過ごすということです。私もどちらかというと、日課を立てたほうが生活しやすい性質だと思います。猫的といえばいえるかもしれません。

2002 1/14

第142回 Bill Libey (1)

Bill Libeyさんは我家の大工さんの棟梁です。棟梁というとちょっと違うかもしれません。彼はリモデリングを本業としていますが、もちろん家もゼロから建てられます。実は、彼は大変捕まえにくい大工さんなのです。腕がいいのでいろいろな仕事がいくらしくいつも大忙し。私とBillの出会いは今をさかのぼること13年前くらいでしょうか、いや14年。忘れもしないクリスマスイブの日、大きな音とともに天井から水が落ちてきました。寒さで水道管が破裂したのです。

 その時、私たちはこの家に引っ越したばかりで今までアパート暮らしだったので家のことなどわからず、ましてや大工さんや、水道屋さん、屋根屋さん、など誰にコンタクトとっていいか全くわからなかったときでした。そんな時リビーリモデリングというたて看板が立つ家の前を通りかかり、思わずそのお宅の呼び鈴をならしドアからでてきたのがBillでした。彼もビジネスをはじめたばかりのころだったので、そのときはあまり顧客がおらず仕事を引き受けてくれました。そして今や彼は街一番の大工さんです。昔からのおつきあいで、頼むとすぐに来てくれる頼もしい人なのです。

2002 1/16

第143回 Bill Libey (2)

Billは自分で納得がいかないといやな性分で、仕事に関しては頑固です。そして彼の見積もりはこの土地の誰よりも高めなのですが、彼のやる仕事はしっかりしているので例えば外壁のペンキが普通4,5年もてばいいところ、彼がやると倍ぐらいの年月耐えうることになります。ですから、家の修理は耐久性第一を考えますから、どうしても彼にお願いすることになります。ただ困るのは、彼が忙しすぎることです。彼に仕事を頼むときは彼のペースに合わせなくてはなりません。

彼には二人の息子さんがいますが、長男はいま製紙工場で働いていて、きつい仕事らしいのですが、給料がいいとのことで4,5年働いて最近建てた自分の家のローンを払いトラックの支払いを済ませたらBillの仕事を後継することになるようです。次男はとても個性的で、なんでもブルース(音楽)に傾倒していて、黒人のミュージシャンにまじってハモニカを吹いたりしているとのこと。今、Billの仕事を手伝っていますが、いずれ音楽関係に進むようなことを言っていました。彼が息子達の話をするときは本当に嬉しそうです。

2002 1/18

第144回 ヒッチハイク

今日車で40分くらいのところにあるクリントンへ行ってきました。国道の最高速度は今時速70マイル(約112.6キロ)ですが、私は時速75マイル(約120キロ)でクルーズコントロールをセットして走ります。それでもどんどん皆さん追い抜いていきますから多分皆さんは時速130キロくらいで走っているのだと思います。そして国道(Interstate)20号を低速で止まらず走って目的地に行きます。道路の両側は綿畑、ソイビーン畑、牧場、林とクルーズコントロールをセットしているとちょっと眠くなることもあるので気をつけなくてはなりません。

国道の出入り口に今の時代でもヒッチハイクをするひとを見かけます。私も本当は乗せてあげたいのですが、やはりちょっと恐い気持ちが先立ってしまいます。大きなバックパックを地面において行く方向に親指を立てて合図します。どうか誰か乗せてあげますようにといって通り過ぎます。よくトラックの運転手がヒッチハイカーを乗せてくれると聞きます。昔はよくみられた光景ですが、今はかなりヒッチハイクする方は減っているようです。

2002 1/21

第145回 Home Depot

Home Depot(ホーム ディポ)は家に必要なもの(食べ物以外)はなんでもそろっているお店で、その店舗は球場くらいある大きな倉庫のような建物で、中に入りますと圧倒されます。大工さんから主婦まであらゆる人が買い物にきます。建材、大工用具など建築用品、床材、照明、バスタブ、洗面台、流し、これらがいくつもデイスプレイされています。日本にもきっとDo It Yourselfのお店はいろいろあると思いますが、アメリカのスケールはすごいです。

ホーム ディポにはライバル会社があって、ロウズ(Lows)といいますが、この2社で市場を半分に割っているようです。Vicksburg には古いショッピングセンターが今は無人ビルとなって大きな駐車場もそのままあるのですが、噂ではこの2社のどちらかがここに店を構えるとか。このような大きな店ができてしまうとローカルの店は大きな打撃をうけてしまいます。客としますとこういう店があると助かりますが、ローカルの店が困るというのも困ります。難しいですね。

2002 1/23