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第261回 クロの絶叫

耳の聞こえなくなったクロは、ときどき絶叫します。はじめはビックリしてかけよって何事かと目をみたり、どこか悪いのではないかと心配したりしたのですが、どうもそうではないらしく、いきなり音のない世界に入り込んで心配になってしまったのではないかと思ったりしています。そして自分の声も他の者にも聞こえないのではないかと思って私達を呼ぶ時絶叫するようになってしまったのではないか想像したりしています。

クロが絶叫した時かけつけてみると、きちんと前と後ろ足を折ってくつろいだ姿勢でソファーの背もたれにすわってこちらをポカンと見ていたりするのです。彼女はトイレを使ったあと、耳が聞こえていたときもないて「トイレ使ったよ、そうじお願いね」と知らせてくれたのですが、そのお知らせも単なるニアーではなくてギャー!!という絶叫のお知らせになってしまいました。「はいはいわかりました」とそうじすると安心してすたすた居間の彼女の場所に歩いていきます。この絶叫による意思表示に慣れるのにはまだ時間がかかりそうです。

11/01 2002

第262回 今庭では

急に寒波がやってきました。シャキッとした朝は気持ちがいいですね。木の葉の色もだんだんと色づいてきました。特に柿の木の葉が様々なオレンジ色にそまってモザイクのようです。鳥達の食欲もましてきました。冬鳥のホワイトスローテッドスパロウもやってきて可愛い声を聞かせてくれます。彼らの声は口笛で真似やすいので毎朝餌をあげるとき口笛をふきますとあちこちから返事が返ってくるので楽しい朝の日課となっています。

落ち葉の季節です。木の葉がすっかり落ちるまでは落ち葉かきに追われることになります。アライグマの悪戯がこのところ目立ちどう対策をたてたらいいか考えなくてはなりません。昨日鉢にパンジーを植えたのですが朝起きたらすっかりほりおこされていましたし、芝のあちこちも掘られ悲惨な状態です。このところの雨でミミズたちが地面の表面近くにでてきているのをねらったものだと思います。暑い夏のあいだないがしろにしていた花壇の整理や植木の剪定などやることがたくさんたまってしまっているので暫くは庭仕事におわれることになるようです。

11/04 2002

第263回 ソバカワ ピロー(その2

以前「ソバカワ ピロー」というタイトルでお便りを送ったことがありました。蕎麦殻の入った枕で、購入して試した当時はなんとなく前より快眠がとれるようになったかなあと喜んでおりましたが、実はあれから大変なことが起きたのです。ある日左の腕にどうにも変なふうな筋肉痛が起こり、頻繁に腕を動かしていないと我慢ができないような状態になってしまいました。その症状が起きたときは寝ていた姿勢が悪く腕を圧迫してしまったのかと思ったりしたのですが。不快な痛みはいっこうにおさまりません。

いろいろ考えた末「ソバカワ ピロー」が容疑者として浮かんできました。思い切ってその晩から「ソバカワ ピロー」をやめました。そうですね、1週間後くらいに不快な痛みはなくなっていました。「ソバカワ ピロー」が原因だと断言はできませんが、日常で起きた変化といったら「ソバカワ ピロー」の使用くらいしか考えられません。少し経って郵便局の窓口の女性が首がどうも痛くてとつらそうにしていたので、「枕最近変えました?」と聞いてみたら、案の定今までの枕がぺしゃんこなのでふかふかで厚みのある枕に変えたばかりというではありませんか。毎日使うものは何らかの形で身体に大きくかかわっているのだとつくづく思いました。 さようなら、「ソバカワ ピロー」。中身の蕎麦殻は庭のコンポースに混ぜてしまおうと思っています。

11/06 2002

第264回 アライグマ対策

昨日植えたパンジーが朝起きてみるとぜんぶ鉢から取り出されて地面に投げ捨てられていました。アライグマたちの仕業です。ミミズをさがしながら邪魔なパンジーをどんどん引き抜いて捨ててしまったのです。夜中に見張りをするわけにもいかず、鉢にふたをするわけにもいかず、どうしたものかとパンジーを鉢にもどしながら考えました。そしてふと以前どこかで読んだ対策を思い浮かべました。

それは花壇や鉢などを野生の動物に荒らされないようにするためにカイエンペパーや赤唐辛子の粉をふりかけるというものです。さっそくパントリーから赤唐辛子の粉の容器を持ち出して鉢に降りかけてみました。赤唐辛子も植物ですから土に悪いことはないでしょう。お料理で鍋にさっさと振り入れるようにまいておきました。明日の朝この鉢がどうなっているか今から気になっています。でもここは南部で、ルイジアナの料理などにはこの手の辛い香辛料はなくてはならないもの。同じ南部育ちのアライグマに果してこの作戦がきくでしょうか・・・

11/08 2002

第265回 作戦成功

昨日ふりかけておいた赤唐辛子の粉対策成功だったようです。朝起きたら悪戯されずにすべて昨日のままの姿でした。ただ今日雨なので唐辛子の粉が雨と混ざって土に溶け込んでしまったのでまた振り掛けなければなりません。パンジーたちはこの唐辛子の粉が土に混ざってどう感じているだろうと思ったりしました。 辛さで黄色がオレンジになったり、紫が赤みを増したりするのではないかとか思ってしまいました。

どうもコギツネのケンは夜中の間ガレージで猫達と一緒に寝ているようです。夫がキツネについてインターネットで検索したところイギリスのサイトにいろいろと情報がみつかったようですが、そこでもキツネと猫は結構相性がいいようです。また赤キツネには特殊なマイツ(虫)が皮膚にすみついてかなりひどい皮膚病をもたらすとあったようで、ケンのことも気になっています。獣医さんに聞いて餌に混ぜられる何か薬があったらもらってこようと思っています。このマイツ(虫)は犬にはうつるようなのですが猫は大丈夫だとあったというので少しホッとしました。

11/11 2002

第266回 矛盾

先日日本からのお土産として日本の週刊誌をいただきました。トップの見出しには景気の悪さを示すタイトルが目に付きました。また様々な犯罪も増えてきているようですし、先の不安から自殺する人も多いとか、医療ミス、医者の不当な経営など暗い話題ばかりで心が重くなってしまいました。この週刊誌はビジネスマン用の固い雑誌でした。仕事をする人たちの苦労、先への不安をひしひしと感じました。

一方その前に女性の方から日本の女性誌をいただいたのですが、こちらのほうには暗い話題はまったく出ておらずファッションと化粧品の大特集でその商品の値段を見て私は唖然としました。原宿にはフランスのブランドが大きな店舗を出し女性の買い物客でにぎわっているというではありませんか。この2冊の異なる雑誌を読んで私の頭は矛盾ということばでいっぱいになってしまいました。一体日本はどうなっているのだろうかと。私が取得できる情報はインターネットで読む新聞だけですから、実際の細かい状況はつかめません。日本のイメージが今私の中でとても曖昧になっているのです。

11/13 2002

第267回 アレルギー体質

先日パブリックラジオで聞こえてきたトピックに興味を持ちました。子供のころから犬や猫やうさぎなど動物と一緒に育ってきた子供はそうでない子供たちよりもアレルギー体質が軽かったり、ならなかったりするという話題でした。 なるほどなあと思いました。今日本でもアメリカでも清潔さということを重要視するあまりそのことに対し神経質になってきているような気がします。また病気に対してなんでも抗生物質で治そうとするような感じも受けます。

抗菌対策に熱心になるあまりに、逆に体質がどんな菌に対しても弱くなってしまうのではないかと思います。そして普段あまり抗生物質にたよりすぎたら、身体が物質に慣れすぎて本当に必要な時に効かなくなってしまわないだろうか?という疑問もでてきます。私は十年近く抗生物質のお世話にならずに済んでいます。結構庭仕事で手をよごしたり、猫の世話もしているので、案外知らず知らず菌に対して強い体質になってきたのではないかなと思いました。菌に限らず何事にもあまり神経質にならないことって大切な気がします。
ときになかなか難しいことですが。

11/15 2002

第268回 落ち葉の採点

落ち葉の季節となりました。風のほとんどないある朝ひらひらと落ちてくる落ち葉に気をとられてしばらく見ていました。オークの葉っぱは複雑な形をしているので高い木から落ちてくるときに様々な曲線を描いて落ちてきます。クルクルと小さな輪を描きながら直線的に落ちてくる葉、緩やかに回転しながらゆっくり落ちてくる葉、不規則な曲線を描きながら落ちてくる葉、ひとつひとつが全て違う動きをして落ちてきます。興味がでてきて落ち方の採点をしてみました。

フィギュアスケートなどの採点をする人たちは大変だなあと感じました。特に自由演技の場合です。もちろんどうみても技術的にすぐれている選手ははっきりしているかもしれませんが、ひとつひとつの動きの表情には個性がありますし、評価する人の好みもでてくると思います。走り高跳びや競争などは時間で勝負がつきますが、イメージが関わる競技に関してはどうしても感情が入ってしまうのではないかとひらひら舞い降りてくる落ち葉の採点をしながらふと思ったりしたのです。落ち葉の採点は得点がつけ難く結局ただ眺めるだけにしました。

11/18 2002

第269回 生物

今回植物は除外することになりますが、この世に生きている全ての生き物について思うことがあります。私はたまたま人間として生まれてきたけれど、ことによっては他の生き物になって生まれていたかもしれないという思いがふと浮かんでくることがよくあります。そう考えるとき人間のために犠牲になってしまった他の生き物たちに申し訳ない気持ちがわいてきてしまいます。車にはねられ道に横たわる動物を見るとき、埋葬してあげたいという気持ちになります。人間に住処を追われつらい生活を強いられる動物に申し訳ないと思います。

虫に関しても同じですが、蚊やゴキブリ(家の中にいるゴキブリに限る、外に住んでいるゴキブリは対象外)に対してはどうしても手がでてしまいますが、ゴメンネという気持ちはしますし、蚊やゴキブリに生まれてこなければよかったねと思います。私の中では人間と動物の区別は大きいものではありません。自分がもし彼らだったら果して彼らのように生きられるだろうかと思ってしまいます。地球を我が物として扱う人間の行動に考えさせられることが多々あります。こう考えるときとても複雑な気持ちになってしまいます。

11/20 2002

第270回 トーネードー

たくさんの雨が降って、雨があがってやっと秋らしい気候となってその雰囲気を楽しんでいましたら、一昨日、昨日と突然蒸し暑さが戻ってきてエアコンをかけたり、袖なし、ショートパンツといういでたちで過ごすことになりました。寒冷前線が落ちてきてそれにむかってメキシコ湾の暖かい湿った空気が上がってきたためです。そして昨日の夜は寒冷前線と暖気がちょうどミシシッピの中央部あたりで激突して荒れ模様の天気となりました。

もちろんトーネードー(竜巻注意報)がはられ、私達のあたりはその注意報の範囲にはあたりませんでしたが、シビアーな雷雨注意報が出されてそのとおり、強い雷にみまわれました。季節の変わり目にはよくあるのですが、寒さと暑さがこうも極端に襲ってきますとかなり調整が難しいものです。ミシシッピ、アラバマ、テネシーではトーネードーのタッチダウンが何箇所かであり、犠牲者も出たようです。またその被害はかなりひどく、停電が広範囲に続いているようです。トーネードーは不思議で、一軒は全廃し跡形もないのに隣の家はまったくなにもなかったように立っているという状況が見られます。本当に運命の分かれ目という感じがします。

11/22 2002

第271回 ターキーシーズン

11月28日はThanksgivingの日、この日は七面鳥を食べるのが恒例となっています。七面鳥には迷惑な話です。スーパーには七面鳥が積まれています。付け合せ料理はインゲンのキャセロール(インゲンをキャンベルのクリームスープと混ぜその上にフライドオニオンをのせる)、スタッフィング(ダイス切りのパンにセロリ、オニオンをまぜハーブのセージを基調にしたスパイスで味付けチキンブロスでふっくらとたきあげる、普通七面鳥のお腹に詰めて焼くのですが別に用意すること多いようです)、マッシュポテト、グレーヴィー(七面鳥のローストからでた肉汁でつくるポッタリしたソース)、スウィートポテトキャセロール(これ自体甘いのにマシュマロをのせる人もいます!)、そしてクランベリージェリー、デザートはパンプキンパイ。

以上が典型的なThanksgivingのデイナーのメニューです。これをいろいろと各自の家庭の味にして、付け合せも特別に変えたりしてみなさん楽しんでいらっしゃいます。そしてターキーを切り分けるのは家長の仕事。食事の前のお祈りは忘れてはいけません。11月になりますといろいろな教会が教会の資金集めとしてメンバーがターキーデイナーをつくって一般の人に食券を出して売ることもよくあります。来週友達の教会に食べに行くことになっています。Thanksgivingのデイナーは日本でお正月に家族そろっておせちを食べることととても似ていると思います。遠くにちらばっている家族がこの日全員集まるのです。

11/25 2002

第272回 困った第1位

今朝のパブリックラジオでミシシッピは肥満度がアメリカでNO1となっているとコメンテイターが話していました。なんでも4人に1人が肥満しているとか。そして肥満に関わる心臓病、糖尿病に病んでいる人も一番多いとか。これは食事によるところが多いと思います。以前書きましたがフライドチキン、チキンにかかわらず揚げ物が多く出回っているのと、昔からの家庭料理がしっかり現在も残っていることも関係していると思います。

昔は今のように便利な世の中ではなかったですから、一日の運動量も相当なもので、暑い季節の長い場所柄もあってそれなりのカロリーは必要だったのでしょう。それが今では便利な世の中になって、食べ物も低価格で食べ放題という売り込みも多く肥満になるのがあたりまえのような状況です。子供の肥満も大きな問題です。学校には体育の授業がないので新たに設けられるようですし、きちんとした食生活の教育も組まれることになりそうです。ここまで深く問題になってしまっているので相当な努力ときちんとした指導が要求されることになりますが、果して改善がうまく進むでしょうか・・・

11/27 2002

第273回 今朝の庭で

今朝は肌にあたる空気がとても冷たく感じられ、あたりは薄もやに包まれて高い木のてっぺんが見えないほどでした。シーンと静まり返る中に起きたばかりの野鳥の声が聞こえてきます。リスが木を昇ったり下りたりする音も聞こえます。ガレージのドアを開けますと猫たちが背伸びをしながら起きだしてきて各自朝の日課のとおりの行動が始まります。水場の水をとりかえて、野鳥の餌台に餌を置きに行く時口笛でカナダから冬の間来ているホワイトスローテッドスパロウ(喉白スズメ)の鳴き声を真似しながら行きますと彼らは私の口笛に答えてくれます。

あまり口笛が上手でないので、返事をくれる彼らの歌声がだんだんおかしくなってしまいます。きれいな鳴き声が私の口笛のために台無しになってしまうのが心配なのですがこの朝の挨拶は楽しくてどうも止められません。今朝は何故か遠くから教会の鐘の音が何度も聞こえてきました。そして深い音色はまるでお寺の鐘の音のように聞こえてきてとても不思議な気持ちになりました。冷たい朝の空気のなかに木の燃えるにおいがほんのりして、この鐘の音を聴きながら目をつぶってみましたらなんとなく日本にいるような気持ちになりました。今朝は特別の朝になりました。

11/29 2002

第274回 庭仕事

夏の間は暑さで庭仕事はできません、こちらは庭仕事が始まるのは落ち葉の頃の10月から4月くらいでしょうか。また冬はミシシッピでは雨季にあたりこの時期に植えますと植木は結構よく育ってくれるようです。まず花枯れした花壇の手入れ、夏の間きれいな花をさかせてくれた一年草にさよならをし、多年草の桔梗を掘り起こし根分けをしました。桔梗は母と一緒に種を日本で購入してまいたものです。桔梗を掘り起こした時びっくりしました。

あんな小さなゴマのような種がそれこそ太い根を地中にのばしものすごく逞しくなっていたのです。日本的な静かな桔梗の花にこのような逞しい根がついていたのかと驚いてしまいました。桔梗を抜いた場所にオーガニックの肥料をまき小さなティラーで土を耕し根分けした桔梗をまた植えました。うまくまた来年花を咲かせてくれたらと思っています。今は椿の植え時なので今年は7本(みんな違う種類)植えました。みんな名前の下にジャポニカとあり、祖先は日本椿とのこと。ふくらんだ蕾がたくさんついているので少ししたら咲き出すでしょう。楽しみです。

12/02 2002

第275回 Be Happy

なるほどなと思いました。 クリスマスに近くなりますとスピリチュアルな考えや、思いが普段よりも大きくなってくるようです。自分を見つめなおしたり、家族を思ったり、いろいろと考え事をすることが多くなるようです。 忙しい世の中、時々こういう時があってもいいような気がします。

12/04 2002