落ち葉の季節、掃いても掃いてもすぐに積もってしまいます。まだ木には大分残っているので当分この労働は続くことになるでしょう。住宅地によっては落ち葉を置く場所がなく、ビニールのトラッシュバッグにつめていくつも路上に置かれている光景に出会います。市のトラックが落ち葉や枯れ枝などを月に2回持って行ってくれるのです。我家は幸い家が少し高いところにあるのでスロープの庭は自然な状態になっているのと、裏が公園なので落ち葉をそこに集めても問題なくすむのでとても助かります。
ブローワーで落ち葉を誘導しながらスロープに落とします。前庭の横に去年うずたかく集めてそのままにしておいて落ち葉の山が今ではほとんど平になりつつあります。そしてその場所をシャベルですくってみますととてもいい色をした土のような状態になっていて私は感心してしまいました。山の木々の落とす葉が素晴らしい肥料となって木を育て、土地を肥えさせ豊かな自然を生み出していく様子を思い浮かべてみました。こんな我家の小さな庭のいっかくでこうして1年でこんないい土になるのですから。丸坊主にされた開発された土地を見ると胸がこみ上げてくることがあります。
12/09 2002
私は生まれてこのかたプロのミュージシャンのコンサートには20年以上前に1回(クラプトン)行っただけでしたが、昨日知人が誘ってくださってVicksburgでBB Kingのコンサートを見る機会に恵まれました。ミシシッピはブルースの発祥の地、世界には名をしられてはいないものの素晴らしいブルースのミュージシャンたちの歴史があります。コンベンションセンターの壁にはその何人かの写真が飾られています。私はジャズとブルースの区別もできないのですが、昨日のコンサートは身体で音楽を聴いたという表現があうと思います。
77歳のBB Kingは膝を悪くして椅子にすわって演奏、そして歌うことになりましたが、77歳には全然見えない迫力で観衆を魅了し、私達を音楽にひきこんでくれました。知らず知らずに身体が動いてしまうのですね、低いビートがお腹から響いてきてあのように音を身体で感じるという経験をしたのは初めてでした。ブルースにはスローなバラード的なきょくと、かなりアップビートなスウィングといろいろあって、それぞれ楽しめました。バックの演奏かも一人一人がプロのミュージシャンで独演もしたのですが、BB Kingを心から尊敬し慕っている様子が目の表情や動作から伝わってきてもう20年以上も一緒に演奏を続けている人もいるとのことでそのぴったり息のあった音楽を堪能いたしました。昨晩は興奮して眠れませんでした。
12/11 2002
アメリカではクリスマス近くになりますとくるみ割り人形がいろいろな形で上演されます。大都市でしたらそれこそ有名なバレリーナを総動員して素晴らしい舞台でのパフォーマンスとなり、きっとイブニングドレスとブラックタイで正装した人々で一杯になるでしょう。バレエの国際コンテストが行われるミシシッピのジャクソンでもかなりハイレベルのパフォーマンスが観られます。くるみ割り人形にはいろいろな国の踊りが振り込まれているので、なかなか見ごたえがあります。
そんななか、Vicksburgでも地元のバレエ教室が共同して創作されたくるみ割り人形がリトルシアターという本当に小さな劇場で公開され、夫と友人夫妻と行ってきました。プログラムを見ましたら、最近引っ越してきた向かいの若夫婦と二人の子供が一家総勢参加していました。それに猫の獣医さんの娘さん、市長の娘さん、夫と杖の練習をしている息子とお父さん、リタイアーした夫の仕事場の人などたくさん知った顔に出会いました。舞台設備もボランテイア、衣装もボランテイア、なにもかもボランテイアで成り立っている今晩のくるみ割り人形、今までで一番楽しく素晴らしいできだと思いました。おせじではありません。
12/13 2002
日本の大晦日は12月31日の1日だけですが、アメリカに住むようになって日本の大晦日のイメージは11月のThanksgivingの日からクリスマスまで続くような気がします。Thanksgivingの日が終わると同時にクリスマスセールが始まり本格的な買い物シーズンになりショッピングセンターは連日賑わいます。クリスマスのプレゼントは家族、親戚、友達、と幅広くわたり、それぞれ送る相手を考え品物を選ぶ為真剣です。テレビでデジタルカメラで欲しい物を写真に撮って相手に何気なく伝えるように何気なくベッドルームに置いたり、冷蔵庫にマグネットでとめたりするCFがありました。
そして子供たちがプレゼントを見つけないように親達は隠すのですが、これがかなり大変そうです。アテイックに隠したり、夫婦の寝室のクローゼットの奥にしまったり、ガレージの鍵のかかる納戸にしまったりとするようです。またこの時期はいろいろな団体が子供用のプレゼントを集めて施設にいる子供たち、病院に入院している子供たちへ送ったりします。スーパーの入り口にはサルベーション アーミーのボランテイアの人がベルを鳴らし募金を集め、集まったお金はそれを必要とする人や家族に渡ります。ですからどうしてもこの時期はいろいろな人を思うことが多くなるようです。
12/18 2002
おじじ様の暖かいご好意によって、みなさんにお便りを送らせていただきながら親しい人とお話をさせていただいているような気持ちを味わわせていただきました。今回をもちましてお便りを終了させていただくことにいたします。私の毎日はこれからもお便りでお伝えしたように淡々と過ぎていくことと思います。長い間お付き合いをありがとうございました。
ときどきおじじ様のサイトにお邪魔して皆さんの釣りの成果など読ませていただけたらと思います。
ではお寒い折からみなさんくれぐれもお身体に気をつけて。
メリークリスマス、そしてよいお年をお迎えくださいませ。 ごきげんよう。
kinu 2002年12月21日
1年半 にわたってU.S.A から送っていただきました「kinu さんの ミシシッピ通信」は、280回 をもって連載が完結いたしました。 (すごい!)
kinu さんありがとうございます! そしてご苦労様でした。 おじじ